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コラムColumn

健康一番  滋野 和志

JA石見銀山の会報誌『千両箱』の「健康一番」に2007年7月から2010年3月まで連載したものを転載しています。

第2回 尿潜血陽性と言われたら

尿に血液が混じっていると何が問題なのでしょうか。
まず、体で尿がつくられ、オシッコとして出るまでを理解しましょう。尿をつくる腎臓は握りこぶしくらいの大きさで左右1個ずつあります。腎臓に流れ込んだ血液は、1個の腎臓の中に100万個いじょうある糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる毛細血管でろ過され、原尿と呼ばれるオシッコのもとがつくられます。その量は1日で150リットルにも及びます。そのままオシッコになると大変なことになってしまいますが、腎臓では99%が再び吸収されて必要なものは体に戻し、不要なものはをオシッコとして体外に排出します。腎臓でつくられた尿は、腎盂(じんう)、尿管を通って一旦膀胱(ぼうこう)に溜められ、尿道を通して体外に排出されます。

したがて、尿の中に血液が混じる可能性としては、まず最初に糸球体で血液をろ過して尿をつくる時に、赤血球が漏れ出てしまう場合と、尿ができてから体外に排出されるまでの間、つまり腎臓から尿道までのどこかで出血があり、尿に混じる場合の2つがあります。前者は糸球体腎炎、動脈硬化などの内科的疾患、後者は癌や結石などの泌尿器科的疾患が原因となり得ます。  

血尿の原因を調べるためには、まず体に負担がない検査として、尿細胞診と超音波検査を行います。尿細胞診で尿の中にがん細胞がないかどうかをチェックし、超音波検査で腎臓や膀胱の形、結石や腫瘍の有無などを調べます。また、膀胱がんの危険因子がある患者さんには膀胱鏡を行います。レントゲン検査としては造影剤を注射して尿をレントゲンで白く見えるようにする尿路造影検査や腹部CT検査などがあります。

これらの検査をすべて行うわけではなく、患者さんの年齢や合併症などによって必要なものを行います。なお、検査で異常がなくても、初期のためまだ発見できないだけで、その後明らかになってくる場合もあります。血尿が持続する場合には定期的な経過観察を受けましょう。


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